Documentマニア:中国の人権問題

ウイグル人虐殺の実態 ドキュメンタリー - YouTube

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皆さん、こんにちは。ウイグルの人権問題は最近よくニュースでも報じられている。自治区と呼ばれる地域は他に4つある。今回は、新疆ウイグル自治区チベットの文化や違いを述べた後、中国共産党がなぜ今人権侵害を続けるのかを述べる。

 

 1.新疆ウイグル自治区

(1)歴史

新疆とは「新しい土地」という意味がある。中国でいううと清の時代という比較的最近になって獲得された土地である。人口は2095万人。ウイグル人以外にも、カザフ、キルギス、蒙古、タジクなどの少数民族が暮らしている。歴史の教科書では中国でいう唐の時代に突厥(とっけつ)として登場している。シルクロードの中に位置しており、トルコ系統の人が住んでいる。

1933~1934年には第一次東トルキスタン共和国として中華民国かた独立、1944~1950年には第二次トルキスタン共和国として独立の意志がみられている。

 

(2)宗教

この地域で多いのはイスラム教の信者である。そのため共産党からの風当たりは強い。モスクは外観だけで別の施設として使われていることがほとんどである。また、独立意識の強い信者の人は拘束されて強制収容所に入れられてしまうこともある。

  

(5)ウイグルの文化

 ①食 

まず、ナンである。ナンといえば、インドのイメージがあるが、「ウイグル族の間で長い歴史を持ち、日々の食事の根幹をなす基礎的で伝統的な食物である。まず、ナンをなくして、ウイグル族の日々の生活は到底なしえない」(熊谷 2004)と言われている。

 

次にウイグル料理といえば、ラグメンとポロである。

「ラグメンは、つなぎをつかわずに小麦粉を練り

表面に油オ塗りながら伸ばし、宇温情にゆでたものに、炒めたおかずをかけて食す料理である。ポロは米料理で、油とにんじん、肉を使用して作る炊き込みご飯である。ウイグル族の間では、ポロをもてなしの際に作ることが客に対して最高の敬意を表明するとされている」(同上)

 

他にもスープ料理のスユカシ、蒸したり揚げたりして作るマンタなどのパン状の料理、肉まん状のもの、膨らまない蒸し餃子などがある。

 皆さんが、メニューを考える時に材料をみて何を作るか考えるのが多いのではないだろうか。ウイグルの料理は、小麦や少量の肉、野菜を材料としていて、工程も似ていることから、中には小麦を練ってから料理を変更することもあるそうだ。

 

②民族衣装

 

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Pinterest より)

女性は髪を切らずに長く伸ばし、三つ編みにするのがウイグル族美人の証明になる。

帽子は「ドッパ」と呼ばれ、見た目は色鮮やかで、頭の後頭部周辺で被る。

服は「アドラス」と呼ばれるドレスです。基本はカラフルで地域によって模様がことなる。

「ロパチ」は頭からすっぽり被るスカーフである。砂漠が多いエリアであり、イスラム文化の影響がある。

 

以上の中国としての歴史が浅いこと、宗教の違いなどの理由で他の自治区よいも共産党に対する反発は強いことが考えられる。日本では近年まで外交の問題であまりニュースには出てこなかったということは聞く。しかし、国際的に問題になってきており私たちにも考え始めなければいけない。

 

 2.チベット自治区

(1)人口は274万人。チベット族が90%を占める地域だ。チベット族といってもいくつかそこに住んでいる人の総称であり、全く同じ文化であるとはいえない。

 

(2)チベット語チベット仏教な独特の文化を持ち、中国共産党との問題が出ている

 ①チベットの経済格差

 チベットの都市部には漢民族が多く住んでおり、車や建物など近代化が進んでいる。一方で、農村部ではもともとチベットに住んでいた人が多く、近代化は都市部と比べて遅れている。そのため都市部と農村部、漢民族チベットの人との格差がある。

 

 ②教育

小学校では、もともとのチベット語は教えられず、中国語が教えられる。また、チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ肖像画や名前を口にすることも禁止され、共産党的な教育がなされている。

以前は寺院などでチベット語も教えられていましたが、監視が入るようになりそれもできなくなっている。

 ③チベットの重要性

チベット自治区は中国国土の1/8を占めており、資源も豊富なことから敬愛的なメリットをもっている。昔から「西蔵(シーザン)」と呼ばれるほどである。特に木材と鉱物がとれる。

チベットは水源の要所でもある。黄河、長江、メコン川インダス川ガンジス川の水源はチベット一帯にある。中国の水源の確保だけでなく、川の恩恵を受ける外国に対しても水という重要な要所を押さえることになる。

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Pinterest より)

 

チベット仏教

 人は輪廻転生することが根本にあり、最高指導者であるダライ・ラマも生まれ変わってくる。しかし、血族による世襲ではなく先代が亡くなったあと、生まれ変わりの容姿や生まれる場所が預言され生まれ変わりになる幼児が探される。

 ダライ・ラマが最高指導者で、そのナンバー2にはパンチェン・ラマという人がいる。この二人が交互になくなったあとの後継者を任命することになっている。

 

 パンチェン・ラマ10世共産党の政策を非難したことで共産党に捕らえられ10年経った後に軟禁状態であった。また、チベット仏教では僧侶は結婚、女性との接触も禁止されており、チベット社会に大きな衝撃を与えた。

 その後、パンチェン・ラマ10世共産党を非難する発言をした5日後、心筋梗塞で倒れ死亡してる。

 ダライ・ラマは次のパンチェン・ラマ11世にニマ少年を指名した。その探索関係者は処罰され、ニマ少年も両親そろって共産党に連行された。

 その後共産党は独自に別の少年を11世として即位させた。つまり、チベット仏教の最高指導者は共産党に強い影響が与えられてしまうと考えられる。

 

(3)チベットの要求

 チベット側としては、「高度な自治」を要求しており、完全な独立よではなく、外交・防衛の面では共産党に、その他の宗教、文化、教育、経済、環境問題などはチベットでするように要求している。しかし、共産党はそれを認めてはいない。

 

(4)文化

 ①食

 チベット食文化で一番有名なのはバター茶である。「伝統的には『ドンモ』という細長い円形状の器具に、お茶、バター、塩を入れて混ぜ攪拌させて作ります。現在は手軽なミキサーもよく用いられています。味は、少し塩辛くバターの風味が強いお茶です。御多羅や化一般家庭で広く飲まれています。」(mmba)

 チベットの朝食では「ツァンバ」があります。日本の麦焦がしのような食べ物でバター茶、砂糖、チーズを混ぜて少しずつ小分けにして食べる。

 食文化ではヤクの肉、ヤク乳、ヤク乳のバター、チーズ、干し肉が食べらる。

他には「トゥクパ」という麺やおかゆチベット風餃子「モモ」、チベット風のパン「パーレー」、スープカレー掛けご飯「シャムデー」がある。

 

 ②民族衣装

  普段着は「チュパ」(袖なしワンピース)と呼ばれる。チュパの形や色、模様は様々である。女性は長袖のブラウスの上に着たり、エプロンと合わせて着る。ダンセはブラウスの上に和服のような襟を胸元で重ねて帯を巻く。

 

 3.中国が民族の締め付けを強める理由

 習政権は「小康社会」を掲げている。「小康社会」とは、庶民がまずまずの暮らしを送れる状態のことである。今までの共産党が強権的な政策でも指示する人がいたのは経済成長により暮らしが良くなる人がいたからである。しかし、人口の高齢化や減少が急速に進み経済成長は鈍化することが予測される。経済成長が共産党を正当化する根拠だったため、それがなくなれば国民からの批判が目立つようになる。特に独立を目指している民族や都市はより勢いを増すだろう。7月24日の「東洋経済」での第三のシナリオである「内部瓦解」に繋がる。このため共産党は強硬な態度にでていると考える。

 人口の減少に対抗し経済成長するには技術革新が欠かせない。しかし、これにも中国政府は矛盾を抱える。中国の民間企業が技術革新をすると国有企業のように統制が聞かなくなる。そのため、規制を強化するがそうすると成長ができないのである。

 4.中国との共存

 日本は労働力人口の減少に対して、外国人労働者・機械化に加えて中国への海外移転も行ってきた。中国には安い労働力が豊富にあったからだ。そのため、中国の人口減少は日本にも影響する。エマニュエル・ドット氏は「中国に対して確固たる態度を崩さずに、しかし、軍事的な対立というわなにはまらないようにするにはどうしたらいいのか」を考えなければならないという。

 中国には今後の成長・衰退・分裂・宇宙の制覇など多くの予測がされている。共産とうとは距離をとりつつ、共産党以外の55の民族への配慮も必要になる。

 

 

 5.まとめ

今回はウイグルの動画からウイグルチベットの問題について見てきたが、内モンゴル自治区でも民族の言語教育ができなかったり、人権侵害の問題が出ている。

 ウイグルチベット内モンゴル、香港が独立してしまうことは現状では難しいだろう。先にも述べたが、チベットの主張は比較的中立で良いと考える。暮らしている人の文化、生活がまずは第一だと思うからだ。しかし、それを共産党側が受け入れるとも考えにくい。いつか中国を回る時に、漢族一色ではなく独特の民族の暮らしに出会いたいものである。

 

 

参考文献

・林哲矢・秦卓弥・大野舞偏(2021)「中国の未来はあまりにも不確実 人口減の影響は世界に広がる『『週刊東洋製剤』第7000号。

・世界地図のデコレーション 水源Pin by 原 宏 on 中華人民共和国 | Tibet, History infographic, Water sources (pinterest.jp)

【チベット問題】わかりやすく解説!驚愕の人権弾圧!民族浄化の実態とは? - YouTube

・熊谷瑞恵 (2004)ナンをめぐる中国新疆ウイグル族の食事文化 (jst.go.jp)

JUGEM(2012)シルクロードの女性たちーウイグル族編 | 毎日がファンソ~~ン (jugem.jp)

・CULHUN 中国のウイグル民族衣装 | culhunカールハン |中国伝統文化のポータルサイト

・mmba (2011)MMBA | 文殊師利大乗仏教会 | チベットの伝統文化

チベットの民族衣装について!男性・女性の伝統衣装は?着用シーンも | BELCY

 

綾野克仁